夢が叶った日〜その1

先週、元ANTHEMのドラマーの大内"MAD"貴雅さん(以下:MADさん)と食事をした。MADさんは僕にとって最も憧れるミュージシャンで、2人でサシ飲みできる日がくるなんて、本当に天と地がひっくり返ったような出来事だ。

MADさんは、1980年代初頭のANTHEMの結成時より初代ドラマーとして在籍し、1985年のメジャーデビューから1992年の解散までの間、パワーメタルと称されたANTHEMのリズムを刻み続けた。

僕が中学3年生の時ANTHEMがデビュー、最初にライブを観に行ったのは翌1986年の"TIGHTROPE"ツアーだった。地元大分のライブハウスSTUDIO OTISでの超満員ライブで僕は初めてMADさんのドラムプレイを観て感動しまくり、当時バンドでドラムをやっていた僕は、ANTHEMのレコードやビデオを擦り切れるほど見聴きしてMADさんのドラミングのフォームやフィルをコピーし、MADさんが掲載されている雑誌を穴が開くほど見てヘアースタイルや出で立ちまで全てを真似した。

1987年の"BOUND TO BREAK"ツアーでは、僕は友だちと一緒に高校をサボってライブハウスのSTUDIO OTISの前でANTHEMの「入待ち」をした。昼前にツアーバスで会場に到着したMADさん達メンバーは、入待ちをしている僕と友だちに楽器運び(ローディ)を手伝わせてくれて、そのお礼にと楽屋に入れてくれた!

MADさんに僕がドラムをやっていることを伝えると、当時MADさんがツアーで使用していたドラムのハードケースやその日張り替えたバスドラのヘッドにサインをしてくれてそれらを僕にくれた!僕はMADさんの飲んだポカリスエットの缶まで記念に持って帰った。憧れのMADさんとのふれあいにチビりそうになったけど、僕は夢をみているような感覚だった。

大学に進学して東京に上京した僕は、1989年のHUNTING TIMEツアー、1990年のNO SMOKE WITHOUT FIREツアーでANTHEMの東京や横浜でのライブは全部観に行って毎回MADさんのドラミングに魅了された。1992年のDOMESTIC BOOTYリリース直後に解散が発表され、新宿の日清パワーステーションでの解散LIVEで僕は号泣しながらWild Anthemを絶叫した。

中学時代から心の支えであり尊敬するバンドの解散で、僕はこれから何を聴いて過ごせばいいんだ?って落ち込みまくり路頭に迷い、MADさんのプレイを観る機会がなくなったことが本当に悲しくて、僕はそのあとのヘヴィメタルからは足を洗い、カントリーロックやサザンロックに傾倒し、数年間空虚のような日々を過ごした。それほど僕にとってのANTHEMやMADさんはまさに青春そのものだった。

2000年夏、グラハム・ボネットをフューチャリングした「HEAVY METAL ANTHEM」リリースに伴う東名阪ツアーが行われた。ツアーファイナルの渋谷オンエアー2daysの2日目、僕は8年ぶりにMADさんのプレイを観てまたまた涙!再結成の機運が一気に高まり翌2001年にANTHEMは復活を遂げるんだけど、ドラマーはMADさんでという僕の願いは届かず、MADさんはANTHEMに戻ってこなかった。

90年代のミュージシャンの日々の活動はSNSが発達した今みたいにオープンではなく、ファンにとっては謎だらけだったんだけど、MADさんは2000年代に入ってから、元プリンセスプリンセスのギターの中山加奈子さんとのバンドのVooDoo Hawaiiansに参加したことや、イエローモンキーのベースの廣瀬HEESEY洋一さんのソロプロジェクトバンドのHEESEY WITH DUDESに加入したことなど、公式ホームページやブログを通じてちょいちょい確認できるようになり、僕は少しだけMADさんとの距離が近づいた気がしていた。

2007年、MADさんが個人向けにドラムレッスンをすることがホームページで告知された。憧れのMADさんにドラムを教えてもらえるなんて、そんなドリーム企画に行かない理由はないと僕は速攻レッスンに申し込んで通い始めた。

MADさんのドラムレッスンは、江戸川橋と護国寺の中間のあたりの音楽スタジオで行われていて、僕は毎回心を踊らせながらスタジオへ向かった。レッスンの前と後に少しだけ時間があるので、限られた時間の中で僕のMADさんへの思いを思い切り伝えたのを覚えている。

MADさんのドラムレッスンはツアーやレコーディングの合間のスケジュールが空いた時間の枠がメールで配信されるんだけど、独立したての僕のスケジュールとなかなか合わなくてヤキモキした。その後2007年に埼玉スーパーアリーナで行われたヘヴィメタルの音楽イベント「LOUD PARK」で、MADさんと偶然会って挨拶したのを最後に僕はMADさんと会うことはなくなっていった。 

〜つづく

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