夢が叶った日〜その2

独立やブランド立ち上げやらで仕事に没頭してMADさんと連絡を取っていなかった日々が続き、時は流れて2017年のある日、MADさんから「バックパック、カッコいいね!」ってfacebookのメッセンジャーで連絡がきた。超ひさびさだったのでびっくりしたとのと同時に、facebookやtwitter、instagramなどのSNSでつながっている人とならダイレクトメッセージで誰とでも簡単に連絡が取れるようになったことが本当に驚きだった。

お会いしていなかったそれまでの10年間の中でKATSUYUKIKODAMAがデビューして、バックパックなどをリリースしていったのをMADさんはチェックしていてくれたんだ!と思うと僕は嬉しくて嬉しくて、速攻感謝のメッセージを返信した。MADさんのことはANTHEMのアニバーサリーライヴやYouTubeなどで過去に比べて圧倒的に観る機会は増えていたんだけど、憧れのドラマーのMADさんに僕から直接DMを送るなんて恐れ多くてなかなかできなかった。

直近でMADさんのプレイを観たのは、2019年夏のANTHEMの「HUNTING TIME 完全再現 30周年アニバーサリーライヴ」にて。僕は仕事でそのライヴに行けるかどうか微妙でチケットは買っていなかったんだけど、スケジュールが何とか空けられたので、数少ない当日券を入手してその歴史的ライヴに参戦した。

そのライヴにゲスト出演したMADさんのオーラに包まれた雄姿はこの上なくカッコよくて、昔と変わらぬドラミングに僕は酔いしれまくった。1989年に渋谷公会堂で観た「HUNTING TIME」ツアーから30年、一番好きなアルバム「HUNTING TIME」をMADさんのドラムで再び観ることができたのは何にも代えがたい本当に貴重な体験だった。

 そんなMADさんへ去年の11月の終わりに今度は僕の方から連絡をいれてみた。去年の11月、僕たちはSUMMER_2021の展示会を週替わりで東京と大阪でやって、その翌週の週末に東京・原宿でフレンズデーを開催した。フレンズデーを行うのはブランドをスタートしてから初めてのことで、多くの友だちにインヴィテーションのメッセージをせっせと送った。そのフレンズデーにMADさんをお誘いしたのだ。

MADさんからは「行きたいんだけどその週末は広島なんだ。残念すぎる」との返信がきた。僕は仕方ないなと思ったけどそれよりもMADさんと久々にオンライン上ながらも会話ができたのが本当に嬉しかった!そのあともいろいろとお互いの近況をチャットしてたら会話の流れで「今度飲もう」みたいな流れになった!

えっ!?まじで??そんなことがあっていいの???と動揺しながらもこんなチャンスは絶対に来ないと思った僕は「スケジュール大丈夫な時に是非行きたいんですね!」と返事した。そしたら「もう日にち決めちゃおう!」ってことになって、12月の初旬のMADさんと僕のスケジュールの合う日で「初飲み会」の日が決まった。

場所はMADさんの地元と僕の地元の中間地点にしようってなってたんだけど、飲み会の数日前になってMADさんから「こだまくん、少し足を伸ばしてオレの地元まで来ないか?」ってDMがきた。何でもMADさんの地元の有名なおでん屋さんの大将が独立して店を出したとのことで、そのお店にしないか?って。

僕は雑誌のインタヴューなんかでMADさんの地元がどのあたりなのかは知っていた。僕の地元からそんなに遠くないし、昔はその沿線に住んだこともあったので二つ返事で了承した。というよりそもそも僕にとってMADさんと飲めるのなら場所なんてどこでも良かった。僕はメタルキッズのように、MADさんと会える日を今か今かと待ち続けた。

そしてついに訪れた飲み会当日、約束の時間に約束の場所で僕はMADさんと13年ぶりに再会した。駅の改札の外で待っていたMADさんは誰が見てもロッカー。ANTHEM時代やその後のキャリアの13年前と全然変わってなくてロッカーとしてのオーラが出まくっていた。めちゃめちゃ緊張したけど、お店に着くまでの徒歩の中でお互いの近況報告をしていたらその緊張もあっという間に解けていった。

お店に着いてからカウンターに座るなりMADさんはお店の大将の浩さんに僕を紹介してくれた。大将の浩さんは元ミュージシャンでMADさんとは友達関係とのこと。僕たちはMADさんの地元で名物のおでんをお任せで浩さんにオーダーして、昔のANTHEMの話やら最近に至るまでの話、MADさんのミュージシャン人生の表の話からこぼれ話に花を咲かせた。

MADさんは「こだまくんにもいろいろ聞きたいことがあるんだよ〜」って言っていたけど、僕はMADさんへ聞きたいことが山のようにあって、質問をiPhoneのメモアプリにメモをしておいただけでなく毎日質問のオリエンテーションをしていたので、間髪入れずMADさんに質問攻めしちゃった。すみません、MADさん!

それにしてもその日はよく飲んだ。駆けつけ5杯のビールから始まって、美味しい浩さんのおでんをつまみに延々ビールを飲み続けた。ビールを何杯飲んだかは全く記憶にない(汗)。おそらく10杯以上は優に飲んだだろうけど、2人ともこの歳になってもビールを飲み続けるなんてホント若いなぁ(笑)。

10代のころからMADさんを見続けてきたファンの側からのインプレッションと、舞台の主役でドラムを叩き続けたロックヒーローのMADさん側で起きていたことなどを両サイドから話をするなんて面白くないはずがない。点と点が繋がった話もあったし、僕が全く勘違いしていたこともあったし、ヘヴィメタルドラマーいうジャンルの創成期を築き上げたMADさんの話はどんな小説やテレビ、映画よりも面白かった。

僕の夢が叶った日、お酒をどこまでも浴び続け、話は銀河鉄道のごとく終わりを知らず果てしなく続いた。

MADさん、ありがとうございます。本当に楽しかったです。また近々是非!!!今度は焼酎飲みましょう!

 

PS. お店を出てからの記憶は全くなく、気がついたら電車で逆方面で隣県の果ての果てにいた。帰りのタクシー代は3万円強。これはさすがに初めての経験だ(泣)。ついでに財布入りのバッグごと電車に忘れ........。その財布入りバッグは2週間後に何ひとつ無くなることなく無傷で発見され........。楽しすぎて飲みすぎた飲み会での「あるある」をまたやっちまった(泣)。本当に反省です。  MADさん、大将の浩さん、お騒がせして申し分けありませんでした!!

Leave a comment

すべてのコメントは公開前にモデレートされます