ネガティブな時期におけるポジティブなビジョン〜その1
緊急事態宣言発令から一夜が明けた。みなさんいかがお過ごしだろうか?慣れないリモートワークの人もいれば、いつも通りオフィスへ出勤している人もいるだろう。僕は公共交通機関は使わず車でもなく、小春日和が続いていて本当に気持ちがいいので久々にバイクで通勤することにした。人と人との距離を取るためにもバイクはいい!
僕らのクリエイションや製造業は簡単に在宅でっワケにもいかないので、みんなで話し合った結果、これまで通りのワークスタイルを変えずに、極力人との接触は避けるよう交互出勤をしながら過ごしていこうってことになった。進めなければならないデザインワークや仕掛かり中のメイン・プロダクションもあるので、より一層注意を払いながら粛々と作業を継続している。
そうはいってもマーケットがこんな状態だからこれまでのようにMAX値までの仕事はないし、シャカリキになって生産活動をしたって仕方がない。WWDでヴァージルが言っていた「(いまは)大規模な小休止といったところ」というのが的を得ていて、「私たちの世界は動きが速すぎたから、今は休む時だと思えばいい」っていうのは、まさにその通りだと思う。
ではそんな「時の流れ」の中で、僕たちはいったい何をすればいいんだろう?ただぼーっとコロナが過ぎ去るのを待っていればいいのか?全世界の経済活動がストップしているんだから、動いても仕方がないだろうっていう考えもある。でもそれは僕たちには適さない。無駄に動く必要がないのであれば、緊急事態宣言発令中の今は、止まったファッション業界の現在とこれからをリサーチする絶好の機会だと思う。どうせ外出自粛なんだし、自宅やオフィスの中で英気を養いながら、これからのビジョンを立てる。ネガティブな時期だからこそ、よりボジティブに。
ではいま僕が僕たちチームが何を考えているか?忘れてはならない記録としてこのブログに残しておこう。
1.コロナショックを乗り越えたあとに備えて:間違いなくこれまでとは異なった時代がやってくる。180度ガラッと変わるであろうファッション業界で、僕たちはクリエイションの発信をどのようにやっていくのか?これが今最も思慮すべき事項だ。この6月に開催されるはずであったS/S2021の各都市のファッションウィークが全て延期or中止になった。ランウェイも大規模トレードショーも、ショールームや単独ブランドによる展示会もすべて中止。国内における僕たちの発表の機会もコロナが収束しなければ、見通しが厳しい状況だ。僕たちは3月に出展予定だったアメリカ系合同展示会のProject Tokyoが中止に追い込まれ、DIET BUTCHER SLIM SKINと一緒に青山で4月に行なう予定だった初のカップリング展示会も断腸の思いで中止した。じゃあこのまま指を加えてコロナ収束を待つしかないのか?いやいやコロナに負けてふて寝している僕たちではないっ!コロナショックを乗り越えたあとに備えてまずはKATSUYUKIKODAMAは5月にオフィシャルWeb上にて新作コレクション発表&先行受注展示会を開催することが決定した。コロナショックは乗り越えてもまた周期がやってきて再拡大し、収束と拡大を繰り返しながら終息へ向かうと考えられる。そうなるとこれまでのような展示する場所を設けての定期的な展示受注会は開催できるときもあれば、中止になることもあるという何とも不安定な状況が続くかもしれない。そもそもコロナがいつ終息するは誰にも予測できていない中、だったらオンラインでBtoBとBtoCへの発表を同時にやろうという方向性だ。昨日ECチームとのチャットTVミーティングで色々な案を出し合ったんだけど、このWeb展示会はただ単なるコレクション発表ではなく、さまざまなギミックがついたこれまでにないコレクション発表の場にしようということになった。まだ詳しい内容はいまは出せないんだけど、現在のオフィシャルWebのシステムの中で最大限に出来得るコレクション発表を行ないたい考えだ。時間もないので詰めに詰めた作業が必要になるけど、オフィシャルWebを、こんな時代だからこそのコレクション発表の場にしていきたい。ご期待ください!!
その2へつづく〜