新型コロナ対策で、僕は何をして何を考えてる?
WWDジャパンで3/27に配信になった記事「新型コロナ対策で巣ごもりのデザイナーたち 何をして何を考えてる?」が面白い。新型コロナウイルスの感染拡大で外出禁止になったパリやミラノ、ニューヨークで活動するデザイナーたちが、いまどんな生活を送っているのか?ヴァージルやマッシモたちのクリエイティブな過ごし方を模索する姿が取材されている。
「いまは大規模な小休止といったところかな。私たちの世界は動きが速すぎたから、今は休む時だと思えばいい」と語るヴァージルは、「緊迫した状況だからこそ本気の仕事ができる」と言いながらこの状況をポジティブに捉えている。自宅でヨガや料理、愛犬との時間を楽しむデザイナーたちもいれば、誰もいないオフィスで仕事に没頭するデザイナーなんかもいる。メンバーとのコミニュケーションはFacetimeやiMessage、WhatsAppなどを使えば問題ないと皆口を揃える。全世界共通の未曾有の事態の中、デザイナーたちの今を伝える内容はなかなか興味深い。
であればだ!WWDジャパンからの取材は僕のところには来なかったので(笑)、「新型コロナ対策で、僕は何をして何を考えてる?」を公開してみよう!
日々の生活:4/1の時点で日本ではまだ緊急事態宣言が出されてないので、僕の生活する東京はまだ普段通りとまではいかないまでも、それなりの生活はできている。世界の都市同様、トイレットペーパーが不足して、都市封鎖に備えて食料品の買い占めは起きているけど、自宅には過去からの備蓄もあるし、スーパーから一時的に物がなくなってもほとんどのものは数日後にはまた納品されているから、現時点ではそこまでパニックになる必要はない。通勤は車と電車が半々くらい。車だと人と接しないので気にすることはあまりないけど、電車はさすがに怖い。いろんなところに触らないようにもするけど、オフィスに着いたり自宅へ帰り着いた瞬間に猛烈に手洗いとうがいをする。多くの人たちとやっていることは同じだ。ヘルスケア面ではジムへ行けなくなったのが大きな変化。ジム内でコロナ感染のニュースで、ジムへの足は遠のいてしまった。そこで数十年ぶりの外でのジョギングを復活させた。でも走ってみてびっくり!!ジムのマシンと外でのジョギングは天と地ほど差がある。風や高低差もビシバシ感じる。そして何より寒い(笑)。ジムはエアコンで年中25度に温度が管理された中で走るからストレスはないけど、外は毎日気温が違う。この時期はまだ寒いから根性なしの僕はジョギングを継続する自信は今は正直ない。でもコロナに負けない体力をつけないとならないんで、もうちょっと頑張ってみようと思う。
日々の仕事:これまで通りの内容で日々進んでいる。デザインをして図面を書いて仕様書を作ってダミーを作る。ダミーを何度か修正しなら最終形に達したら最終サンプルの製作に移る。市場がシュリンクしているから不安感や疲弊感の中での活動だし、先が全く見えていない中でのクリエイションだから集中力を持続させるのはなかなか難儀だけど、来客商談や外出も減っているので、それこそ新しいモノを生み出すことに集中できる絶好の機会だ。実際、製作中の新作は本当にクールすぎてやばい(笑)。チーム内でのアイデア出しのための MDミーティングも、相棒の佐古との型出しのダミー製作も、この困難のあとに必ず夢や幸せをつかんでやろうっていう強い信念のなか行われているんで、驚くほど素晴らしいクオリティのものが完成している。また、アウトソーシングしているECチームとはTVミーティングとChatworkで普段よりよっぽどこまめなコミニュケーションを取るようになった。グループ内はTeams、プライベートはLINEとコミニュケーションツールの使い分けがはっきりしてきてていい感じだ。東日本大震災の際にコミニュケーションツールがメールやSMSから、facebookやtwitter、LINEに変化していったのとよく似ている。
日々のランチ:もともとランチはオフィスに簡単なキッチンを作ったんで、そこで毎日料理をしている。だからランチにおいてコロナによる変化はない。僕は料理が大好きだ。ストレス発散にもなるし、料理こそまさにクリエイションだから昔から週末はキッチンに立っていろんな料理に挑戦してきた。プロが作るの料理にもめっちゃ関心があるから、オープンキッチンのレストランや中華屋や料理屋のカウンターに座ると、コックの手さばきや使用する調味料を凝視しちゃう。味も確かめて自宅で真似して作るのが本当に楽しくて料理は僕の趣味のひとつだ。以前はランチは外食ばかりだったんだけど、今のオフィスに越してきてキッチンを作ってからは、お昼のクッキングが楽しくて仕方ない。オフィスでランチを作るようになったのはLAの友だちの影響。LAのベニス界隈にあるおもちゃ会社に務める友だちのオフィスにはオープンキッチンがあって、スタッフはランチやディナーをそのキッチンで作っていた。作るって言ってもそこはアメリカなんでサンドウィッチ程度なんだけど、野菜や肉をさばくスペースや一通り揃った各種調味料や調理器具、電子レンジやオーブン、ケトルがカッコよく並んだそのキッチンスペースに僕はめっちゃ憧れた。しかもビールのサーバーまで設置されているというオマケつき。オフィスの一角をこんな風にしたいなーって思ってたんたけど、いまは完成したキッチンでの料理が、僕のクリエイションの源といっても過言ではない。
日々のディナー:以前は毎日のように夜の街へ繰り出していた。でも2、3年前から自宅飲みが増えつつあったので、ランチ同様ディナーもコロナによる影響は無い。ただまったく無いってことでもなくて、変化も感じている。それはお酒の量。外出自粛要請で外で飲まなくなった分、自宅で飲む酒の量や種類が増えた。ビール、ワイン、焼酎に加え、最近はバーボン・スコッチが仲間入りした。バーボン・スコッチはワインに比べて度数が高いから深酒する前に寝落ちする(笑)。だから睡眠時間も長く取れて健康的(←ホンマかいな?)。種類や量も増えたので、カン・瓶のゴミの日は、ものすごい量の空き缶と空き瓶を出す。おそらく近所の人も自宅飲みになっているんで、毎週のカン・瓶のゴミの日はトラッシュ・ボックスが超満杯だ。食料品はいえば、最近はスーパーで売ってる寿司や惣菜のクオリティがもの凄く高くなってて、実際買ってみると寿司はネタもいいし外食に負けない惣菜もたくさんある。しかも食事して飲んでそのままベッドに行ける。しかも外食の1/3か1/2程度で格段に安いってなると、だったらこれでいいじゃん、これからもこうしようってみんな思うようになる。でもこれって外食産業にとっては本当にマズい状況だ。ファッションでも同じことが言えて、外出自粛で服やバッグなんて今はいらないよねってなって1シーズンがすぎると、新作買わなかったけど別にどうってことなくて出費も抑えらるんだからこれでいいじゃんってなる。で、次のシーズンも新しい服やバッグは買わずあっという間に1年が過ぎちゃう。外食産業同様ファッション業界もヤバい状況になる。不要不急って言葉に影響されてこれまでの食のスタイルやファッションの購入サイクルを根本から崩すだけなく、人々の気持ちまで変えてしまう。これがコロナの怖さだ。