未曾有の事態のなかで
6月のミラノやパリ、ロンドンやNYなど各国のファッションウィークが中止・延期が発表になった。
新型コロナウイルスは僕たちの生活や経済活動に多大な変化を及ぼしている。僕たちの心の動揺や不安感は東日本大震災のときと似ているけども、今回のそれらの意識は全世界共通。毎日が人類のウイルスとの戦いの重大局面なので、これまでの生活スタイルをこれまで通り続けていけるかどうかは、誰一人確証もできないし、この夏がどうなるかとか近い未来がどうなっているのかなんて誰も予測できない。
こんなときだからこそ夢のあるアイテムを創って、ファッションを通じて楽しさと喜びをみんなでシェアしたいって気持ちで毎日のクリエイション活動を続けているけど、ニュースを見聞きするたび気が滅入ってくる。株暴落、為替相場の乱高下、小売店売上激減などの経済のニュースや、集団感染(クラスター)、世界的流行(パンデミック)、感染爆発(オーバーシュート)、都市封鎖(ロックダウン)ほか、新型コロナウイルスで次々と出てくる感染・伝染の専門用語は、僕たちを恐怖の渦へどんどん巻き込んでいく。
各国首脳からは「国難だ」とか「第二次大戦以来の非常事態」とか言われはじめ、「コロナウイルスとの戦い=戦時下」という意識が全世界の人々で共有されているなか、僕たちが発表の場として来たミラノやパリもコロナウイルスによって完全に陥落し封鎖された。LAへの渡航は今夏も予定していたんだけど今年は絶対に無理だ。来年になったって行けるかわからない。非常事態で外出禁止となりゴーストタウンと化したニューヨークやパリの映像や、医療崩壊を起こしているミラノやマドリードの病院の映像には驚きのあまり目を背けたくなるけれども、これからの日本、僕たちの生きている・活動している東京をなんとか踏ん張らせるためにも、各地の状況を直視し感情的ではなく冷静に行動していかなきゃならない。
週末の外出自粛要請の明けた今朝に入ってきた志村けんさんの訃報。70歳なんて今の時代からしたらまだまだ若すぎる。志村さんは僕ら世代のお笑いのお兄さんの頂点に立つ一人。僕らはみんな「8時だよ!全員集合」が放送される土曜だけは番組の終わる9時まで夜更かしをしてよかった。志村さんの歌う「カラスなぜ鳴くの〜?カラスの勝手でしょ〜」は毎回コントのオチで決まって登場するんだけど、小学校高学年だった僕はこのオチに毎回笑わせられたし、ヒゲダンスはクラスのお楽しみ会や学年の演劇会など事あるごとに男子みんなで踊った。
おそらく志村さんのことは若い世代も知ってるだろうから、身近に感じる芸能人の死は、みんながコロナをより身近な恐怖として真剣に捉え始めるキッカケになるだろう。実際マーケットも敏感に反応し、東京株式市場は一時800円以上の下げた。
これでもかって押し寄せてくるコロナ関連の報道や悲報で情けないけど僕の心は疲弊気味。都内の桜はまだ散っていないけど、今年ほど桜を見ても全く心踊らない年は後にも先にもないんじゃないかな。過去にこのブログでも桜の季節に桜のことを書いてきてて、コロナが始まる前は今年も桜のことについて書こうかなと思っていた。でも今は心に余裕がない。
あ、「桜を見る会」についてでも書いてみるかな。それの方がタイプが進むかも。