LOS ANGELES 2019 〜 その2
LOS ANGELES(以下:LA)は、5年前に訪れて以来パリやミラノを飛び越えて一瞬にして世界で一番好きな街になった。それ以来、晩夏にLAに行くようになった。カラッとした空気と西海岸リゾート特有ののんびりした雰囲気の中に、しっかりと根付く最先端の音楽とトレンド・ファッションの発信地。心をゆっくりと休めるのと同時にクリエイションの英気を養うには絶好の場所だ。
今回は滞在中に多くのアートに触れた。「ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)」や「The Broad」で時間をかけて新旧のアートを堪能し、今注目を浴びている「Arts District」で最先端のアートを体感した。
近代の巨匠たちの絵画や造形物に触れる「モダン・アート」、ひとめ見ただけで楽しめる「ポップ・アート」、そして芸術の破壊と解放と今を感じることのできるLAの「ストリート・アート」を滞在中に時系列に接することで、これからのKATSUYUKIKODAMAの行き先がはっきりと見えてきた。欲を言えばもう何日間か滞在して、さらに深くアートを体感したかった。音楽やファッション一辺倒ではなく今回の渡米でアーティスティックなLAに逢着したことは本当に有意義な体験で、帰国したばかりなのに明日にでもまたLAを訪れてもっともっとアートを探索したいっていう欲求に駆られている。
LA滞在の何日目かに、ダウンタウンの東端の「Arts District」と、ウエスト・ハリウッドのロバートソン・BLVD.界隈にある「Design District」とを時間をかけてじっくりと回った。そこにはこれから僕のクリエーションの糧だろう多くのヒントが転がっていた。去年秋に「Arts District」にできた"DOVER STREET MARKET"の「Beautiful Chaos(美しき混沌)」とその界隈のストリートアートはそれはもう期待を遥かに超えて刺激的で、この感覚をこれからどう僕のなかで料理していくか、沸点を通り越して完全に昇天状態になった。「Design District」に移動してからも"Maxfieldla"によってその興奮にさらに油が注がれ、メルローズの街並みに到達するころには西陽も沈んでDinnerの時間になっていることも忘れるくらいLAアートの刺激を連続で浴び続けた。
近年のトレンドであるストリートというキーワードの次のステージの輪郭が今回のLAの旅ではっきりと見えて来た。マリーナ・デル・レイのアパートに戻って最近また好きになって来たバーボンを嗜みながら、その輪郭を想像しながらニヤリとする僕がいた。
その3につづく〜