潮目が変わったファッション業界 〜 1/4
ブログを休んでいたこの一年、いろいろなことが劇的に変わった。確かにいろんなことの変化っていうのは刺激的でエキサイティングなんだけど、「変わる」「変わった」「変わらなきゃ」「変化」って言葉が日々活動している折々で頻繁に飛び交ってて、自分が乗り遅れていないか否応無しに焦らされる。そのおかげで超微妙な連続振動から起きる金属疲労のような心の疲弊も強制的に強いられて、最近は変化すること = 素晴らしいことなのか?って自問自答したりもするようにもなった。
確かに僕たちの活動の場のファッション業界及びバッグ・ファッション業界も、なかなか周辺が騒がしい。百貨店やセレクトショップといった実店舗での購入からECでの購入がつきに本格化したかと思ったら、ECはECでどこよりも早い配送の是非や値引きのあり方の賛否、それ以前にそもそもマーケットプレイス型やモール型よりも自社運営のほうがいいじゃない?的な原点回帰の動きなど、たくさんの渦が起きまくってて、何をどうしようかって迷っているうちに次のウエーヴがやってくる状態。
支払方法にしても現金からカードや電子マネーになって久しいんだけど、このところで急速にQR・バーコード決済サービスが台頭してきてこの分野も一気に激戦区化。誕生と成長の先には必ず淘汰があり、大が小を飲み込んでいくことはGAFAで証明済みなんだから、どれを使おうかななんて迷わず様子見してればいいんだろうけど、みんな時代に取り残されたくないから取り合えず使ってみているんだろう。
自分自身のブランド運営でいうと、揺らぎない樹で大地にしっかりと根をはり拡大しながらも、一方では固定概念に縛られない「しなり」も大いに必要で、時代の変化と進化に柔軟に対応していかなければ顧客がすぐに離れていく。そのブランドの伝統とが格式とか不変の美学みたいなのはどこ吹く風。こりゃ大変な時代に生まれたもんだ。母方の爺ちゃんが、戦中に台湾で戦友とともに撮った記念写真の裏に「生まれた時代が悪かった」って書いてあった。それとは比較にならないくらい今は幸せな時代なんだけど、成熟社会においてまだなお成長をし続けなきゃならないってのも、それはそれで大変なことだ。
テレビ業界の人たちが飲み屋で最近よく話題になること。それは「最近テレビってネットに完全に負けてるよね」なんだって。ファッショ業界も似たようなもんで、飲み屋でのもっぱらの話題は「もうファッションはダメでしょ」。そう言いながら早ばやと業界を捨てる人や、歳も歳なんでしぶしぶこの業界で仕事している人が多い。テレビ業界もファッション業界も旧態依然としてて変わっていない&変化をしていないのが彼らの言うダメな理由。
そうはいっても潮目が変わってきているバッグ・ファッション業界。ホントにそんなに言うほどダメなのか?それともやっぱりこの業界はダメなのか?変化しているのか?変化に対応できているのか?それとも変化なんてしなくていいのか?あれこれにスポットを当てて、次回から3回に渡ってああだこうだ語ってみようと思う。