4月 13, 2018

聖地・心斎橋

僕たちはまた心斎橋大丸に帰ってきた。北館1Fでの最初のポップアップ・イベントは2015年10月。それ以来1シーズンごとの恒例イベントとなり今回で6回目になる。インバウンドの強い土地柄だけに外国人の来店数でセールスが若干左右されるけど、KATSUYUKIKODAMAは高水準の売上を毎回キープしてきた。本格的造作ポップアップ・イベントは国内でブランドデビューしてまだ間もない2015年当時の僕たちにとってはもちろん初めてで、百貨店の1Fでエスカレーター脇10.4平方(3.1坪)という好立地・好スペースの中、周辺はセリーヌ、プラダ、グッチをはじめメゾン系に囲まれながらのセールスに毎日刺激を受けた。

本格的造作ポップアップ・イベントは初めてなので何をするにも暗中模索。什器なんかもどこで用意すればいいのかわからず、大阪市大国町の協力縫製工場の社長が趣味で集めて思いっきり使い古したアンティークのミリタリーアルミコンテナを10数個お借りしてディスプレイした。なかなか雰囲気が出てカッコ良いポップアップ・ショップになったんだけど、何せ初めての経験だったので要所要所の詰めが甘くショップというよりはイベント特設会場的だった。それでも僕たちは素晴らしい場所でのブランド・セールスに酔いしれ、たくさんのカスタマーと出会うことができ、この環境が近い将来僕たちの向かうべきステージだってことを確信した。

その時の結果は予算を大幅に上回ったこともあって、半年後の2016年4月にポップアップ・イベントのオファーが心斎橋大丸からすぐにきた。最初のポップアップで得た経験を踏まえ僕たちはアイデアを出し合いながら什器を作りはじめた。そして出来上がった什器が今もイベントやフラッグシップ・ストアで活躍する「KKダブルTバー」だ(上の画像のバー)。これの製作は何度もこのブログにも登場する藤沢市にある鉄のアート集団「さいとう工房」さんに依頼。試行錯誤を繰り返しながら1ヶ月後には美しくミニマルで機能的な什器「KKダブルTバー」が完成した。この「KKダブルTバー」、今では東名阪のポップアップ・イベントで毎回使用していてKKの顔になっている他、パリの「レクレルール」やミラノの「ダントーネ」でのポップアップでもバッグとともに海を渡り、毎シーズンのパリNoSeasonでの展示会でも使用されている逸品だ。

心斎橋大丸1Fでの2回目のポップアップ・イベントはそれらを東京からハイエースに乗せて持ち込んだ。往路はセールスの稚佳とセールス会社のスリークの蔵本さんが運転して搬入し、そのまま夜遅くまで会場セッティングを行った。翌日オープンしたイベントは「KKダブルTバー」を使ってバックパックを大々的に展開したことで、お客さまへのプレゼンテーションの質が格段に上がりカスタマーの数はうなぎのぼり！ポップアップ・イベント2回目にして今でも破られていない売上レコードを樹立した。会期が終了したあと、什器を東京へ運ぶのは僕。しかも一人で500kmの道のりを運転。連日の販売ヘルプの後で身体は限界値に達していたけれど、信じられないほどのセールスだったし、車内BGMはBABYMETAL全開で、全く疲労感なし＆ノンストップで東京まで激走したのを覚えている。

そのあと、2016年10月、2017年4月・10月と恒例イベント化した心斎橋大丸のポップアップ・イベントは、その時々でいろんなドラマがあって毎回本当に楽しい。そして今回もまた新しい出会いに恵まれ初日からの勢いに乗ったまま週末を迎える。

心斎橋はまさに僕たちの聖地だ。