帰省回顧〜その2(小鹿田焼の里の前に「想夫恋」へ)
2024年に入り正月ボケも醒めやらない1月中旬、実家の大分へ帰省した。前回の帰省は去年の6月、それから半年後に再び大分へ。
両親も今年80歳を迎えるし(父親は1月末に80歳に!)、ちょいちょい帰省して両親との時間を持たなきゃって数年前から思い続けてきたので、1年に2回の帰省は既定路線。コロナもあってなかなか帰れなかったけど、去年の夏くらいからは気兼ねなく帰省できるようになった。
今回の帰省では、兄から大分のふぐを食べに行こう!って誘われてたのでそれがメインイベントの予定だった。大分のふぐは養殖で餌を厳しく管理しているため、ふぐの肝が食べられることで有名!ふぐの肝を食べる!?ってびっくりするかもしれないが、おそらくふぐの肝が食べられるのは全国でも大分だけだろう。小学生だった頃、両親に連れて行ってもらったふぐ屋でも肝が出されてメッチャ美味しかったのをよく覚えていて、それを久々に食べられるなんて、本当に楽しみだ。
帰省した初日の晩は両親と大分の魚を酒のあてにしながら、この半年の出来事をあれこれと話しをして過ごした。両親は去年から商売を始めたので、売上や仕入の管理や、会計処理の仕方、PC入力なんかの話をしながらのまさかのビジネストークで楽しい時間を過ごした。それにしても80歳を前にして商売を始めるなんて、ホントびっくりだよ。元気でいてくれるのは何よりだけど(汗)
翌朝、兄より今昼はどこにいきたい?って内容のLINEがきた。日田でご当地グルメの焼きそばを食べに行く?佐賀関に行って老舗店で関サバ・関アジを食べに行く?父親の実家のある竹田・緒方方面へ行って兒玉家のルーツをめぐる?あと何個かの選択肢がLINEに書いてあった。どれも魅力的なんだけど、そういえば幼少期から日田って一度も行ったことがないので、日田焼きそばを食べに行こうって返信した。
日田焼きそばは、ご当地グルメとして全国的にメジャーになった20年くらい前に、大分市大道にある「想夫恋」に食べに行ったことがある。「想夫恋」は日田に本店を構え県内や九州各地に店舗展開する超有名店。関東にも店舗がある。でも20年前はこの焼きそばのどこが旨いのか理解することが出来ず、ただ腹を満たしただけの印象だった。
僕は今になって麺類は好物になったけど、昔は麺よりお米の方が好きだったので、麺類はそんなに好んで食べなかった。小さいころ家族で出前をよく頼んだ中華屋の「十五万石」には、ラーメンではなく焼肉定食を注文した。大学の頃よく行った「東秀」では、ラーメンをずるずるとススる友だちたちを横目に生姜焼きや肉野菜、ホイコールといった定食ばかりオーダーしていた。そいうえば30代前半に歌舞伎町の「ラーメン二郎」に初めて行ったとき、コッテリした背脂と大量のもやしのおかげで完食することができず、半分以上ラーメンを残すことになって一緒に行った友だちに食べてもらうという情けない思いをしたっけ。
麺類を食べるようになってその美味しさを知ったのは30代中盤から。つけ麺は40を過ぎるまで食べたことがなかった。後輩に勧められて行った渋谷の「やすべえ」でつけ麺の美味さを初めて知った。うどんは見た目が見るからに太りそうっていう理由で若い頃からそもそも口にすることはほとんどなかった。50前になってようやくうどんが好きになったのは、倉敷市児島にある帆布屋さんに「たかとうどん本店」に連れてってもらいしょうゆうどんを食べてから。30代後半や40代前半に「たかとうどん本店」には何度か連れてってもらってしょうゆうどんをいただいていたんだけど、全くそのおいしさは解らず・・・。50前になって再び同店に伺った時、うどんの粘りやコシと、鰹のダシの効いたしょうゆのマリアージュに感動しまくり突然美味しく感じるようになった。
何度も食べたこのしょうゆうどんを前はなぜ美味しく思わなかったのかは、今になっても謎のままだ。蕎麦は今に至ってもその旨さを発見できていない。最近たまに行っている東京・京橋の「恵み屋」で、十割田舎蕎麦の強い香りを感じたことで、ついに蕎麦好きの殻を破りそうな予感もある。本当にやっとこさだ。そんなんだから、20年くらい前の僕には「想夫恋」の焼きそばのどこが美味しいのかなんて理解できる筈もなかった。
「想夫恋」の焼きそばといえば、2022年1月に 福岡・博多で行われたセールスイベントの会場横に「想夫恋」住吉店があった。2022年だけにすでに僕は麺類が好きになっていたので、イベント参加している日程のどこかのタイミングで「想夫恋」の焼きそばを食べに行こうと企んでいたんだけど、スケジュールが空いたところで行ってみたら残念ながら休業日で食べず仕舞い。後ろ髪が引かれる思いでシャッターの降りた「想夫恋」を後にした。今回、「想夫恋」への訪問はそれ以来になるし、しかも日田の本店に行こうって兄が言っているし期待が高まるばかり!
帰省2日目の朝、兄が去年秋にリニューアルした新型プリウスに母さんと一緒に乗り込んで、いざ人生初の日田へ!日田には大分から高速で約1時間で到着。旧市街の豆田町に入ると白壁の旧家が立ち並び、城下町の風情を色濃く残した街づくりはまさに小江戸。大分市や別府市なんかよりも歴史を強く感じさせるこの街っていったい何なの?って思って兄に聞いたら、日田って江戸時代初期から天領(江戸幕府直轄領)になったんだって!江戸から代官が派遣されて統治を行ってた場所なので、建築物や街並みは江戸の影響を強く受けてるんだそう。へ〜〜こんな場所が故郷にあったのか〜!初めてきて心底感動!三隈川沿いに車を停めて盆地をぐるっと一周眺めながら澄んだ空気を深く吸ってから、いよいよ日田焼きそばの総本山「想夫恋」本店へ!
さてさて、故郷大分の日田焼きそばのお味はいかに???
つづく〜