潮目が変わったファッション業界 (3/4) 〜大きな財布を持たなくなった

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潮目が変わってきているバッグ・ファッション業界。

ホントにそんなに言うほどダメなのか?

それともやっぱりこの業界はダメなのか?

変化しているのか?

変化に対応できているのか?

それとも変化なんてしなくていいのか?

あれこれにスポットを当てて、3回に渡ってああだこうだ語る第2回目の今回は、「財布」について語ってみよう。

ヨーロッパやアメリカでスーパーのレジに並んでいると、本当に現金を使う買う人って少ないなぁって昔からよく感じてた。少ない金額でもクレジット・カードで決済するのって僕たち日本人にはあまり馴染みがないし、現金を使わないとついつい使いすぎそうでなんだか不安。それなのに欧米人は様々な場所でいとも簡単にカードで決済する。これって単なる文化の違いなんだろうなって解釈していた。

日本でも支払方法はこの何年かで交通系やコンビニ系、電話会社系などの電子マネーになってきてはいたんだけど、このところで急速にQR・バーコード決済サービスが台頭してきた。中国では一足先にWeChat(微信)のQR・バーコード決済が浸透していて、中国に出張に行く知り合いからは、「マックでもスタバでも街の商店でも、どこでもスマホで決済してて、全く現金を使わないのよ。全部WeChat(微信)で決済しててまじで凄いよ」っていう話は聞いていた。

そうはいっても「中国は偽札が多いから仕方ないよね」的にしかずっと僕は考えられなくて、電子マネーやQR・バーコード決済について現実を直視していなかった。でもそれじゃ人々の行動パターンの本質を体験していないなって思い、去年の暮れあたりからほとんど全ての決済をとりあえず電子マネーにしてみることにした。

使用したのはApple PayとSony Bank WALLET。交通系はApple Payで、日常品はSony Bank WALLETで支払いを済ませ、どうしてもそれらが使えない時は現金を使った。

なぜ数ある支払い方法からApple PayとSony Bank WALLETを選んだかは話の趣旨がズレるのでここでは割愛するけど、使って見た感想はその手軽さに本当にびっくり。まず現金を全然使わなくなった。財布に最低限の金額を入れておくんだけど、全くその現金が動かない。そもそも全ての支払いがApple PayかSony Bank WALLETなんで現ダマの現金を使わないし、現金が動かないから大きい財布があっという間に必要なくなった。

個人間による現金の受け渡しもネット銀行は送金手数料が無料のところが多いからWeb上で行なう。ネット銀行に関しては土日だろうと夜中だろうとこちらが送金したらその場で相手に着金するからめちゃめちゃ便利。

Apple PayとSony Bank WALLETでほぼ全ての支払いが可能だから、そういえば現金って、仕事先で停めた路上のコインパーキングとか個人経営の居酒屋とかでしか使わないことに早々と気がついた。これは僕の中で物すごい変化だ。

そうなると、僕たちの提案する財布のあり方も考え直さないと!!とっさにバッグ・SLGデザイナーとしてのクリエイションの狼煙が天に向かってモクモクと上がった。

やっぱりここでも世の中の流れや行動内容をきちんと把握して新作で提案していけば、この業界も決して旧態依然としてて変わっていない&変化できない業界でもないんだなと自分で電子マネー生活をしてみてしみじみと感じたよ。

それらのコレクションは次回展示会までに続々と登場予定。ご期待ください。

 

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