花の命は結構長い

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桜が満開になってから今年は1度も雨が降らなかったので、綺麗な状態を保ったまま葉桜になりゆっくりと散っていった。桜は一気に咲いて一気に散るからその潔さが武士の美学となってきたって言われるけど、今年の桜はそんな武士道精神みたいな潔さはなく、私はいつまでも美しいのよ♪と謳歌する女性のような桜だった。僕は今年の桜がこれまでで一番好きかな。

僕たちが身を置くファッション業界は例年の桜のごとく、トレンドが一気にやって来て、あっいう間に去っていくっていうのが通例だったんだけど、このところはそうでもなくなってきたなってよく思う。ここ数年のストリート旋風はもはや定番となってるってことが顕著な例だけど、目新しさがよりいっそう洗練されて定着化していく様をその渦のなかで実際に経験してみると、トレンドが過ぎ去った後、マーケットが見るも無残な荒野となるってのは今は確実になくなって来てるって感じる。

いまは昔みたいにみんなが一斉に同じものを着たり、履いたり、身につけたり、持ったり、聴いたりはしない。趣味嗜好が細分化・多様化していて、さらによりパーソナルになっているから超爆発的ヒットは生まれない反面、小さいながらきちんとマーケットを形成できれば、そのトレンドは長続きすることが明らかになってきた。長続きの途中でさらに独自の進化を遂げ、角(カド)が取れ余計なものを振い落としたのちマーケットが膨らみ定番化する。定番化すればそう易々とマーケットが崩れることはない。これが近年のトレンド〜定番形成の流れだ。

僕たちKATSUYUKIKODAMAのアイテムたちも同じで、PACK1はリリースから4年が経過してもその存在は色あせるどころかより一層輝きを増し、新傾向の先駆者として王座の地位に君臨し続けている。さらに昨秋リリースされた第二世代のPACK5やPACK6は、バックパックをサブ・カルチャーからメインストリームに引き上げる新たな、そして真の世代となってきている。

まさに一気に美しく咲き誇り、花の命は結構長く、散った後も新緑の葉が樹を包んだ今年の桜のように、僕たちの生んだDENSITY MANIA:PACKシリーズの息吹をこの春もその先もずっと感じてください。

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