新作「ENIGMA VARIATIONS」〜前編
先月のAUTUMN2018展示会で出した新型のトート・バッグ「ENIGMA VARIATIONS」はKATSUYUKIKODAMAの新領域への突入を強烈に感じさせるアイテムだ。
これをデザインしたのは今年の1月、パリから戻ってから。フラッグシップ・ストアでセールスの稚佳とスタイリストの拓也と秋の前の端境に向けた商品の話をしていた。春の新作が出揃って東名阪のポップアップ・ツアーがひと通り終える5月後半から6月頭頃のシーズン端境期に、次シーズンを感じさせる新作が欲しい旨を2人から言われた。しかも欲しいアイテムはトート・バッグ。なんでも、これまでKATSUYUKIKODAMAには本格的なトート・バッグがなかったので、店頭でもトート・バッグが欲しいって言われることが多かったんだそう。
実はこれまで僕は、セールスの稚佳から幾度にも渡ってトート・バッグを作って欲しいとの依頼を受けていた。2016春夏シーズンに「ABSTRACTION」シリーズでトート・バッグは作ったんだけど、マチを25cmも持たせスタイリング重視でデザインしたから、持っていてものすごいクールでスタイリッシュなんだけど、仕事などのデイリーユースではちょっと難しいアイテムだった。
セールスの稚佳が今欲しいというトート・バッグは、そんなクールでスタイリッシュではなく、日常を意識したトート・バッグ。通常、1週間のうちで一番多く時間を費やすのは仕事の時間。仕事=日常を意識したトート・バッグが今のKATSUYUKIKODAMAのマーチャンダイジングには最も必要だと。
日常、デイリーユースのトート・バッグは、ブランドデビュー当初では必要としなかった。それよりもブランドアイコンを決定づけるマーチャンダイジングが最も必要で、「DENSITY MANIA」の"PACKシリーズ"や「ABSTRACTION」シリーズ、「SYNCOPATION」シリーズなど現在のKATSUYUKIKODAMAの根幹となるアイテムを連発でリリースした。
伊勢丹メンズやB'2nd各店、阪急メンズ東京・大阪などの常設売場やショップに加え、フラッグシップ・ストアがオープンした今、より多くのユーザーにブランドを認知してもらうために必要なアイテムは、トート・バッグだ!となって遂にデザインがスタートした。
つづく