Spring and Summer 2022 進行中!〜Vol.1
大好きな夏がやってきた。日中の気温が35°を超える酷暑も到来し、まさに夏真っ盛り。毎日美味しく飲むキンキンに冷えたビールも格別だし、それに合うつまみを料理するのも本当に楽しくて仕方ない。1年中ずっと夏だったらいいのに。
さて僕にとって最高のコンディションの中、MAISON PARADIDDLEでは今、8月18日から恵比寿で行われるAND.ショールーム主催Spring and Summer 2022展示会のサンプル製作が山場を迎えている。
KATSYUKIKODAMAのS/S2022のテーマは「Desirable Days」。コロナを乗り越えて来年の夏こそ素敵な日々〜Desirable Daysを迎えたいという願いを込めたテーマだ。「Desirable Days」に一緒に持ち歩きたいアイテムたちをいま絶賛構築中で、それらはこれまでのKATSUYUKIKODAMAとは一線を画す「彩り」と「軽快さ」と「美」が追求されている。
僕たちの新作のサンプル製作は、僕と相棒の佐古とが長年培ってきた製作方法で今回も進行している。
まず絵型と図面は完璧には作り込まない。あくまでもイメージレベルを佐古に伝える。その昔、外注の職人さんにサンプル製作を依頼するには、完璧な絵型と図面を渡す必要があったから何時間もかけて多くの絵型と図面を描いてた。
でも、今のサンプル依頼先は外注の職人さんではなく身内中の身内であるパートナーの佐古だ。佐古とはもう15年近く恐ろしい数のサンプルや製品を一緒に作ってきたからチームワークは万全だ。完璧な絵型と図面よりもまずはイメージを伝えたほうが早い。ふんわりと描かれた僕のイメージと簡単な図面を元に佐古は型紙製作を始める。
型紙ができたら似寄りの素材を使ってダミー製作に移る。ダミーとは洋服のトワルと同じでサイズやシルエットを確認するためのものだ。サイズやシルエットが一発でイメージ通りに出来上がることはまずない。自分のイメージするドンピシャのサイズとシルエットが出るまで何度も修正を繰り返す。実はこのダミー製作が最も重要な作業といっても過言ではない。
何度も修正を繰り返すので佐古は大変だけど、僕がOKを出すまで佐古は佐古で納得していない場合が結構多い。この作業が新作のクリエイションで最も重要な作業のひとつってことがわかっているから、繰り返し行われるダミーの修正は僕たちとっては全く苦じゃない。
外注の職人さんに依頼するとこのダミー製作やダミーの修正を繰り返すことがなかなかできない。時間をかけるだけコストがかかるのと、熟練の職人さんが出してくるシルエットにまだ未熟だった当時の僕は「NO!」とはなかなか言えなかったので、ある程度のところで妥協することが多かった。
でも今はMAISON PARADIDDLEの中での作業だから作業の妥協は一切生じない。妥協しないからといっても悪戯に時間を使うこともそれ自体が無駄だってこともわかっているので、驚くほどスピーディに作業が進む。これも何年も経験を積んできたおかげだ。
さて、ダミーが完成すると製品で使用する素材を使って1stサンプルの製作に移る。このあと1stサンプルを作る過程を次回〜Vol.2でまたお話しします!
Vol.2につづく〜