LOS ANGELES 2019 〜 最終回

LOS ANGELES(以下:LA)にいる僕の友だちの新しいパートナー(以下:J)は、僕と同世代で音楽の趣味もジャストフィットして、瞬く間に仲良しになった。Jはワックスとスプレーで固めたヘアスタイルにDITAのティアドロップをかける僕の風貌をみて、僕のことを「Japanese Rockstar」ってあだ名をつけて毎回呼んだ(笑)。

そんなJから「そういえば、今度の水曜にコリアンタウンのTHE WILTURNってホールで、DEEP PURPLEのライヴがあるけど行く?」って聞かれ二つ返事でOKした。DEEP PURPLEといえば前回のLOS ANGELES 2019 〜 その3も書いたけど、僕ら世代で知らない人はいないブリテッシュハードロック界のレジェンド。現在「The Long Goodbye」と銘打った年齢的にもおそらく最後になるだろうワールドツアー中だ。

僕が高校1年のとき、地元大分県高校ロック選手権で優勝したバンドが、同じ高校の2コ上の先輩たちの"Darjeeling"で、文化祭の音楽コンサートではもちろんトリを務めたんだけど、最後の曲がDEEP PURPLEの「Smoke on the water」だった。イントロが流れた瞬間の大歓声と先輩たちのバンド"Darjeeling"の格好良さは30年以上たった今でも鮮明に覚えている。その「Smoke on the water」をオリジナルのDEEP PURPLEの生のプレイを本場のアメリカLAで観られるなんて、僕は本当にラッキーだ。突然行くことになったんだけど、ライブのある水曜が本当に待ち遠しかった。

ライブ会場のTHE WILTURNというホールは老舗中の老舗で、2016年にはBABYMEYTALが USツアーでソールドアウトにした場所。僕たちはTHE WILTURNのすぐそばのコリアンレストランで待ち合わせして軽く食事してから会場へ向かうことにした。ライブは7時スタートなんだけど、7時を過ぎてもJはビールや食べ物をどんどん頼んで一向に会場へ向かおうとしない。おいおい大丈夫か??ってJに言うと、「7時からはオープニングアクトがプレイするんだよ。メインアクトは9時くらいから登場だよ」だって!そうだ、そうだ!欧米のバンドは必ずといっていいほど前座を引き連れてツアーするんだ!80年代、OZZY OSBOURNEの前座がMOTLEY CRUE、RATTの前座がBON JOVIみたいなカップリングがあってめっち羨ましかったのを覚えてる!

Jに順ってTHE WILTURN入りしたのはもうすぐ9時になりそうな時だった。エントランスのゲートをくぐるとBARがあってみんなビールをグビグビ飲みながら談笑している。THE WILTURNのバック・ボードやDEEP PURPLE公演のインフォメーション・ボードの前で記念撮影する人もたくさんいて開演間近で熱気がぐるぐると渦巻いている。僕たちはビールを飲みながらそのまま1F席へ向かった。席に座って会場全体を見回すとTHE WILTURNの場内はまさに伝統的なアメリカのコンサート会場そのもの。GUNS N' ROSESの”November Rain"に出てくるザ・リッツのような厳かなライブホールで、ハードロックの本場の臨場感に僕は感動しまくりで声も出なかった。

程なくしてDEEP PURPLEが登場!ギタリストがリッチーブラックモアではないのが残念だけど、Vo.のイアン・ギラン、B.のロジャー・グローヴァー、ds.のイアン・ペイスは現役バリバリ!1曲目の"Highway Star"から会場は大合唱。"Pictures Of Home"や"Lazy"、"Perfect Strangers"など往年の名曲を連発プレイ。で、"Smoke on the water"で1部を締めた。このツアーのKey.はジョン・ロードではなく僕の大好きなドン・エイリーで、もちろんジョン・ロードも観たかったんだけど、マイケル・シェンカー・グループやゲイリー・ムーア、オジー・オズボーンで共演したドン・エイリーの演奏を聴けたのは本当に嬉しかったし、中盤のキーボード・ソロはこの日のショーのハイライトだった。あと、僕が高校〜大学時代にドラムを叩くときに使っていたスティックはイアン・ペイス・モデルだったから、この歳になってLAでイアンのプレイを観る事ができたのもまさに奇跡。DEEP PURPLEで一度も脱退することなく安定したリズムを50年以上も奏で続けるイアン・ペイスには尊敬の念しかない。アンコールで再びステージに現れたDEEP PURPLEは、"Hush"と"Black Night"でショーを締めた。

ハード・ロックの本場LAで、ハード・ロックのレジェンドのDEEP PURPLEを観る。こんな経験はそうそうないし、ライブ会場のTHE WILTURNの臨場感は絶対に一生忘れる事はないだろうな。ありがとう、J!!

今年のLAもまた楽しかったなぁ。来年もまたな、LA!!

〜おわり

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